ある日突然、自社のホームページを開くと「この接続ではプライバシーが保護されません」という警告画面になり、ページが表示されなくなった。お客様から「ホームページが見られない」と連絡が来た。
このようなとき、原因としてよくあるのがSSL証明書の期限切れです。
SSL証明書には有効期限があり、期限が切れると、ブラウザは警告画面を表示してページへのアクセスを止めます。ホームページのデータ自体は無事でも、見た人には「危険なサイト」のように見えてしまうため、影響の大きいトラブルです。
一方で、期限切れは原因がはっきりしているぶん、状況を確認できれば対処の道筋も立てやすい問題です。この記事では、期限切れが起きたときの確認手順と、今後切らさないための管理方法を整理します。
まず、本当に期限切れかを確認する
警告画面が出ていても、原因が期限切れとは限りません。まず警告の内容を確認します。
パソコンのブラウザ(ChromeやEdge)で警告画面を開き、「詳細設定」や「詳細情報」を押すと、エラーの理由が表示されます。期限切れの場合は「NET::ERR_CERT_DATE_INVALID」や「証明書の有効期限が切れています」といった表記が出ます。
また、アドレス欄の鍵マーク(または警告マーク)をクリックし、「証明書」の情報を開くと、有効期限の日付を直接確認できます。ここで期限が過去の日付になっていれば、期限切れが原因です。
期限は切れていないのに警告が出る場合は、別の原因(SSL未対応、設定の不備など)が考えられます。その場合はホームページに「保護されていない通信」と表示されるときに確認することを参考に、順番に確認してください。
なお、閲覧者のパソコンの日付設定が大きくずれている場合にも同じ警告が出ることがあります。複数の端末や回線で同じ警告が出るかを確認すると、自社側の問題か閲覧者側の問題かを切り分けられます。
また、警告ではなくページ自体がまったく開けない場合は、SSLではなくサーバーやドメインの問題の可能性があります。その場合はホームページが突然表示されなくなったときに確認することから原因を切り分けてください。
SSL証明書がどこで管理されているかを確認する
期限切れとわかったら、次に「その証明書がどこで発行・管理されているか」を確認します。対処の方法は、管理場所によって変わるためです。よくあるパターンは次の3つです。
サーバー会社の無料SSLを使っている場合
多くのレンタルサーバーでは、無料のSSL(Let’s Encryptなど)が提供されていて、通常は自動で更新され続けます。それが切れたということは、自動更新が何らかの理由で止まっている状態です。
よくある原因は、ドメインの設定変更(ネームサーバーやDNSの変更)によって更新の確認が通らなくなった、サーバーの契約や設定が変わった、などです。サーバーの管理画面でSSL設定の状態を確認し、エラーが出ていれば再設定します。原因がわからない場合は、サーバー会社のサポートに「無料SSLの自動更新が止まって期限が切れた」と伝えれば、確認の手順を案内してもらえます。
有料のSSL証明書を購入している場合
証明書を年単位で購入している場合は、更新手続きと支払いが必要です。証明書の販売元(サーバー会社経由、または証明書の販売会社)から、期限前に更新案内のメールが届いているはずです。
ここで注意したいのが、その案内メールがどこに届いているかです。制作会社のアドレスや、退職した担当者のアドレスに届いていて、誰も気づかないまま期限が切れるケースが少なくありません。更新手続きとあわせて、案内メールの宛先も確認しておきましょう。
制作会社が管理している場合
ホームページの保守を制作会社に任せている場合、SSLの管理も先方が行っていることがあります。まず制作会社に連絡し、状況を確認してください。
保守契約が終了していた、あるいは制作会社と連絡が取れないという場合は、自社で対処する必要があります。サーバーの契約先や管理情報がわからないときは、ホームページのドメイン・サーバー管理がわからないときの確認ポイントとホームページを作った人と連絡が取れないときの確認ポイントを参考に、契約の確認から進めてください。
更新・再設定の進め方
管理場所がわかれば、対処は次のいずれかになります。
- サーバーの無料SSL: 管理画面から再設定、またはサーバー会社サポートへ相談
- 有料証明書: 販売元で更新手続きと支払い
- 制作会社管理: 制作会社へ連絡して更新を依頼
作業自体はサーバーの管理画面で完結することが多く、再設定や更新が反映されれば、警告は解消されます。反映には数分〜数時間かかる場合があるため、設定後すぐに警告が消えなくても、少し時間をおいて確認してください。
サーバーの管理画面に入るログイン情報がわからない場合は、先にホームページのログイン情報がわからないときの確認ポイントの手順で、管理画面へ入れる状態を整えてください。
なお、警告が出ている間もホームページのデータが消えたわけではありません。慌てて「作り直し」を検討する必要はなく、証明書の更新だけで元に戻ります。
期限切れの間に起きる影響
期限切れの状態が続くと、次のような影響があります。
- 訪問者のほとんどが警告画面で離脱し、ページが読まれなくなる
- 「危険なサイト」という印象を与え、信頼を損なう
- 問い合わせや申し込みが止まる
- 検索順位に悪影響が出る可能性がある
影響は期限切れの期間に比例して大きくなります。気づいたら当日中に、少なくとも管理場所の特定までは進めておきたいところです。
自社ですぐに対処できない場合でも、お客様からの指摘が続くようであれば、SNSやGoogleビジネスプロフィールなど自社で更新できる場所で「ホームページの表示に問題が発生しており、復旧作業中です」と一言案内しておくと、混乱を減らせます。
今後、期限を切らさないための管理方法
期限切れは、一度復旧させたあとの再発防止が大切です。次の点を整えておきましょう。
自動更新の状態を確認しておく
サーバーの無料SSLを使っている場合は、自動更新が有効になっているかを管理画面で確認します。今回の期限切れの原因が特定できていれば、同じ原因(設定変更など)が起きたときに再確認する、と決めておくだけでも予防になります。
更新案内メールの宛先を今の担当者にする
有料証明書やドメイン、サーバーの更新案内が、現在確認できるメールアドレスに届くようにします。担当者の退職や制作会社との契約終了のタイミングで宛先の変更が漏れると、次の更新時に同じことが起きます。
期限の一覧を作っておく
SSL証明書、ドメイン、サーバー契約の3つは、それぞれ別の期限を持っています。どれが・いつ・どこで更新されるかを一覧にして、社内で共有できる場所に保管しておくと、担当者が替わっても引き継げます。
誰が対応するかを決めておく
警告が出たとき、誰が確認してどこへ連絡するのかを決めておくだけで、復旧までの時間は大きく変わります。「サーバー会社のサポート窓口の連絡先」をその一覧に書き添えておくのがおすすめです。
よくある質問
期限切れの警告が出ていても、閲覧者に実害はありますか?
期限切れそのものは、通信の暗号化が信頼できない状態を意味します。ページの内容が急に危険になるわけではありませんが、閲覧者に「詳細設定から進む」ような操作を促すのは適切ではありません。案内するのではなく、証明書の更新で解消するのが正しい対処です。
更新したのに警告が消えません。
反映まで時間がかかる場合があるほか、ブラウザに古い情報が残っていることもあります。時間をおいて、ページの再読み込み(スーパーリロード)や別の端末での確認を試してください。それでも消えない場合は、設定が完了していない可能性があるため、サーバー会社に状況を確認するのが確実です。
無料SSLと有料SSLはどちらがよいですか?
一般的な会社・店舗のホームページであれば、サーバー会社が提供する無料SSLで実用上の問題はありません。大切なのは無料か有料かよりも、更新が止まらない管理体制になっているかどうかです。現在有料証明書を使っている場合も、更新のタイミングでサーバーの無料SSLへ切り替えられる場合があるため、コストを見直したいときはサーバー会社に相談してみてください。
まとめ
SSL証明書の期限切れは、影響の大きいトラブルですが、「警告内容の確認 → 管理場所の特定 → 更新・再設定」という手順で復旧できます。データが失われたわけではないので、慌てて作り直しを考える必要はありません。
そして、期限切れの多くは「更新案内が誰にも届いていなかった」「管理している人がいなくなっていた」という管理体制の問題から起きます。復旧できたら、期限の一覧化と連絡先の整理まで済ませておくことが、いちばんの再発防止です。
警告の原因がわからない場合や、サーバーの契約状況から確認が必要な場合は、現状の整理からお手伝いしますので、お気軽にご相談ください。
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