毎月の保守費を払い続けているが、実際に何をしてもらっているのかよくわからない。更新もほとんど頼んでいない。これなら自社でできるのではないか。
そう考えて、保守契約の見直しを検討する会社は少なくありません。
ただ、保守を自社に切り替える前に確認しておきたいことがあります。保守という言葉には複数の作業が含まれていて、そのうち自社でできるものと、できないものが分かれるためです。
この記事では、保守に含まれる作業を分解し、自社管理へ切り替えるときの判断と手順を整理します。
保守費をやめたいと思ったとき、まず確認すること
最初にやるのは、解約の連絡ではなく、今の契約に何が含まれているかの確認です。
請求書や契約書を見て、次の点を確認してください。
- 月額に含まれている作業の内容
- サーバー代・ドメイン代が保守費に含まれているか、別か
- サーバーとドメインの契約名義(自社か、保守会社か)
- 解約の申し出期限(「3か月前まで」などの条件)
- 解約時のデータ・ログイン情報の引き渡し条件
特に重要なのが契約名義です。サーバーやドメインが保守会社の名義になっている場合、保守を解約するとホームページ自体が止まることがあります。この場合は「自社管理への切り替え」の前に、名義の移管という作業が必要になります。
契約書が見つからない場合も、請求書の内訳や当時のメールに条件が書かれていることがあります。
保守に含まれる作業を分解する
「保守」は一つの作業ではありません。一般的に次のものが含まれます。
サーバーとドメインの契約管理。 契約の更新、支払い、期限の管理です。作業自体は難しくありませんが、更新を忘れるとホームページが表示されなくなり、同じドメインのメールも使えなくなります。
WordPressやプラグインの更新。 本体・テーマ・プラグインを新しいバージョンに上げる作業です。ボタンを押すだけの場合もありますが、更新によって表示が崩れたり、機能が動かなくなることがあります。
バックアップ。 定期的にデータを保存し、問題が起きたときに戻せる状態を保つことです。
障害対応。 表示されなくなった、警告が出た、改ざんが疑われるといったときの対応です。
掲載内容の更新代行。 お知らせの追加、料金やサービス内容の修正、写真の差し替えなどです。
このうちどれが今の契約に入っているかで、自社に移せる範囲が変わります。
自社でできる作業と、難しい作業
自社に移しやすいもの
契約の管理は自社で持つのが本来望ましい部分です。名義を自社にし、更新時期をカレンダーに入れ、支払い方法を確認しておく。これだけで、契約切れによる停止は防げます。
掲載内容の更新も、WordPressの管理画面に入れて操作を覚えれば、自社で進められます。お知らせの追加や文章の修正は、慣れれば数分の作業です。
自社では難しいもの
障害対応は、起きてから覚えることができません。表示されない原因はサーバー、DNS、SSL、WordPress、プラグインのどこにでもあり得ます。切り分けには経験が必要です。
WordPressの更新は、ボタンを押す作業自体は簡単ですが、更新して壊れたときに戻せるかが問題になります。バックアップを取らずに更新し、表示が崩れたまま復旧できなくなるケースがあります。
判断の目安
自社管理に向いているのは、次のような場合です。
- 掲載内容の更新頻度が低い、または自社で更新したい
- WordPressの管理画面に入れる状態にある
- 何かあったときに相談できる先を確保できる
- 契約名義が自社である(または移管できる)
逆に、管理画面に入れない、契約名義が保守会社、社内に触れる人がいないという状態では、切り替え自体が難しくなります。
何を自社に持ち、何を外に残すか
全部を自社に移すか、全部を外注のままにするか、の二択ではありません。
実務的に多いのは、次の分け方です。
- 契約の管理は自社(名義を自社にして、更新と支払いを把握する)
- 掲載内容の更新は自社(管理画面から自分たちで直す)
- システムの更新とバックアップは外部(または自社+いざというときの相談先を確保)
- 障害対応は外部(起きたときに頼める先を決めておく)
こうすると、月額の保守費は下がり、それでも止まらない体制が残ります。何を誰が持つかの整理は、別の記事で詳しく扱っています。
自社管理へ切り替える手順
手順1:自社でアクセスできる範囲を確認する
WordPressの管理画面、サーバーの管理画面、ドメインの管理画面。それぞれログインできるかを確認します。ログイン情報がわからない場合は、先に確認しておく必要があります。
手順2:契約名義を確認し、必要なら移管する
サーバーとドメインが保守会社名義の場合、自社名義への移管が必要です。これは保守会社の協力が必要な作業なので、解約を伝えるときに合わせて依頼します。
手順3:バックアップを取る
切り替え前に、今のホームページのデータを保存しておきます。管理画面に入れるうちに取っておくのが安全です。
手順4:解約を申し出る
契約書の申し出期限に沿って連絡します。あわせてデータと管理情報の引き渡しを依頼します。
手順5:更新の担当と手順を決める
誰が何をいつやるのかを決めます。サーバー・ドメインの更新期限、WordPressの更新をどのタイミングで行うか、バックアップを誰が取るか。ここを決めずに切り替えると、次の項目の状態になります。
自社管理でつまずきやすい点
自社に切り替えたあと、実際によく起きるのが次の3つです。
更新が止まる。 最初の数か月は更新するものの、担当者が忙しくなると止まります。WordPressやプラグインの更新が1年放置されると、セキュリティ上のリスクになります。
バックアップを取らなくなる。 保守会社がやっていた作業のうち、いちばん忘れられやすいのがこれです。問題が起きてから、戻せるデータがないと気づきます。
担当者が変わると誰も分からなくなる。 自社管理に切り替えた本人が異動・退職すると、ログイン情報も手順も引き継がれないことがあります。
対策は単純です。更新期限をカレンダーに入れ、手順を書き残し、複数人が見られる場所に情報を置く。保守費を下げた分、この管理を自社で持つことになります。
他社へ変える選択肢もある
保守費への不満が「金額」ではなく「対応の質」や「何をしているか分からない」ことにある場合は、自社管理ではなく別の会社に変更する方が合うこともあります。
自社管理は費用を下げられますが、作業と責任は自社に移ります。その負担を引き受けたくない場合は、内容と費用が納得できる先に変えるほうが現実的です。
よくある質問
保守を解約すると、ホームページは止まりますか?
サーバーとドメインの契約が保守費に含まれていて、かつ保守会社の名義である場合は、解約と同時に止まることがあります。契約名義と、サーバー代が保守費に含まれているかを先に確認してください。自社名義であれば、保守を解約してもホームページは表示され続けます。
WordPressの更新は自分でやっても大丈夫ですか?
バックアップを取ってから行うのが原則です。更新によって表示が崩れることがあり、戻せる状態を確保してから進める必要があります。テーマやプラグインの構成によっては、更新の影響が大きい場合もあります。
保守費が高いのか安いのか判断できません
含まれている作業の内容と照らして判断します。サーバー代・ドメイン代が含まれていれば、その分は実費です。更新代行が月に何回まで含まれるか、障害対応が含まれるかによっても妥当な金額は変わります。まず内訳を確認してください。
社内に詳しい人がいなくても自社管理はできますか?
掲載内容の更新と契約管理だけなら、操作を覚えれば可能です。ただしシステムの更新や障害対応まで含めると難しくなります。全部を自社に持つのではなく、必要な部分だけ相談できる先を残しておく形が現実的です。
保守の見直しは、内訳の確認から
保守を自社管理に切り替えるかどうかは、金額だけでは決められません。今の契約に何が含まれているかを分解し、そのうちどれを自社で持てるかを確認するのが先です。
当サイトを運営するオフィスピコッツでは、京都・滋賀を中心に、ホームページの管理体制についての相談をお受けしています。「この保守費が妥当なのか分からない」という段階からで構いません。現状の整理からお手伝いします。
無料のホームページ見直しチェックを試す