ホームページ見直し

ホームページの制作会社が廃業・倒産したときに確認すること

ホームページを作ってくれた制作会社が、廃業していた。倒産したという連絡が届いた。ある日突然ホームページが表示されなくなり、調べてみたら会社がなくなっていた。

こうしたご相談は、決して珍しくありません。

制作会社の廃業・倒産は、単に「連絡が取れなくなる」だけでは済まない場合があります。サーバーやドメインの契約状況によっては、ホームページやメールが使えなくなったり、データそのものが失われたりする可能性があるためです。

一方で、契約が自社名義であれば、あわてる必要がないケースも多くあります。

大切なのは、今の状況がどちらなのかを早めに確認することです。この記事では、制作会社の廃業・倒産を知ったときに確認したいことを、順番に整理します。

まず、ホームページが表示されているか確認する

最初に確認したいのは、今、ホームページが表示されているかどうかです。

パソコンとスマートフォンの両方でホームページを開いてみてください。あわせて、ホームページと同じドメインのメールを使っている場合は、メールの送受信ができているかも確認します。

  • ホームページが表示されている → まだ猶予があります。落ち着いて次の確認に進みましょう
  • ホームページが表示されない、またはメールが届かなくなっている → サーバーやドメインの契約がすでに止まっている可能性があります。確認を急ぐ必要があります

表示されているからといって安心はできませんが、少なくとも「今すぐデータを確保する時間はある」ということです。逆に表示されなくなっている場合でも、契約状況によっては復旧できることがあります。どちらの場合も、次の「契約名義の確認」が判断の分かれ目になります。

すでに表示されなくなっている場合の詳しい切り分け手順は、ホームページが突然表示されなくなったときに確認することでも解説しています。

契約名義がどちらかで、状況は大きく変わる

制作会社の廃業・倒産で最も重要なのが、サーバーとドメインの契約名義です。

契約が自社名義の場合

サーバーやドメインを自社(自分)名義で契約していて、支払いも自社で行っている場合、制作会社がなくなってもホームページは基本的にそのまま使えます。

制作会社は「作った会社」であって、ホームページの土台であるサーバーやドメインの契約は自社にあるためです。この場合、あわてて何かをする必要はありません。今後の更新や修正を頼める相談先を、時間をかけて探せます。

契約が制作会社名義の場合

一方、サーバーやドメインが制作会社名義で契約されている場合は、時間との勝負になることがあります。

会社が廃業・倒産すると、その会社が契約していたサーバーは、支払いが止まった時点で順次停止されていきます。サーバーが停止すればホームページは表示されなくなり、契約が完全に終了すればサーバー上のデータも削除されます。

さらに深刻なのはドメインです。ドメインの更新が止まって失効すると、一定の期間を過ぎた後、第三者が取得できる状態になります。長年使ってきたURLやメールアドレスが使えなくなるだけでなく、まったく関係のない他者に取得されてしまう可能性もあります。

自社の契約がどちらなのかわからない場合は、請求書や支払い明細を確認してください。サーバー会社やドメイン管理会社への支払いを自社で行っていれば自社名義の可能性が高く、制作会社に「管理費」「保守費」としてまとめて支払っていた場合は、制作会社名義の可能性があります。

契約先の調べ方は、ホームページのドメイン・サーバー管理がわからないときの確認ポイントで詳しく紹介しています。

ホームページのデータを確保する

契約状況の確認と並行して、できるだけ早く行いたいのがデータの確保です。特に契約が制作会社名義の可能性がある場合は、ホームページが表示されているうちに進めてください。

管理画面に入れる場合

WordPressの管理画面に入れる場合は、バックアッププラグインなどでファイルとデータベースの両方を保存します。サーバーの契約者ページに入れる場合は、サーバーの機能でバックアップを取得できることもあります。

管理画面のログイン情報がわからない場合は、ホームページのログイン情報がわからないときの確認ポイントの手順で再発行を試してみてください。ただし、登録メールアドレスが制作会社のものになっていると再発行できないため、その場合は次の方法に進みます。

管理画面に入れない場合

管理画面にもサーバーにも入れない場合でも、最低限の確保はできます。

  • 各ページを開いて、文章をコピーして保存する
  • 画像を保存する
  • 会社概要、サービス内容、料金、実績など、作り直すときに必要になる情報を控えておく
  • 各ページのURL一覧を控えておく(後で新サイトへの引き継ぎに使えます)

完全な復元はできなくても、掲載していた情報が手元にあるだけで、その後の選択肢が大きく広がります。

廃業した制作会社と連絡がつく場合

廃業・倒産といっても、状況はさまざまです。事業を畳んだ後も、元の担当者や代表者と連絡がつく場合があります。

連絡がつくうちに、次のことを確認・依頼しておきましょう。

  • サーバーとドメインの契約先と契約名義
  • 契約の残り期間と、いつまで支払われているか
  • ドメインを自社名義へ移管してもらえるか
  • ホームページのデータ(ファイル・データベース)を引き渡してもらえるか
  • 管理画面やサーバーのログイン情報

特に優先したいのはドメインの移管です。データは最悪作り直せますが、失効したドメインを取り戻すのは難しいためです。

倒産手続き中の場合、資産の扱いに制限がかかることもありますが、依頼して損はありません。「ドメインの移管とデータの引き渡しをお願いしたい」と、具体的に伝えることが大切です。

連絡がつかない場合

すでに連絡がつかない場合は、自社でできる確認を進めます。基本的な流れはホームページを作った人と連絡が取れないときの確認ポイントと同じですが、廃業・倒産の場合は次の点も確認してみてください。

  • 契約書や納品書類に、サーバー会社・ドメイン管理会社の記載がないか
  • ドメインが自社名義であれば、ドメイン管理会社に直接連絡して手続きできないか
  • サーバー会社がわかれば、契約状況について問い合わせられないか(契約者でない場合、教えてもらえる範囲は限られますが、自社に関係する範囲で相談できることがあります)

ドメインの名義が自社になっていれば、制作会社を経由せずにドメイン管理会社と直接手続きできる可能性があります。名義の確認は、ドメイン管理会社への問い合わせや、契約時の書類で行えます。

今後の運用先を決める

データと契約の確保に目処がついたら、今後のホームページをどうするかを考えます。

  • 現在のホームページをそのまま新しいサーバーへ移して使い続ける
  • 移すタイミングで、古い情報の整理や部分的な修正を行う
  • これを機に、今の事業に合わせて作り直す

どれが良いかは、ホームページの状態によります。長年更新されていないWordPressの場合は、移転と合わせて状態の確認も必要です。WordPressを長年更新していない場合に確認することも参考にしてください。

また、新しいホームページへ移る際に、今のサイトの写真や文章をそのまま使ってよいかは、当時の契約や素材の種類によって変わります。ホームページの写真や文章は誰のもの?リニューアル時の権利関係の確認ポイントで確認の進め方を紹介しています。

ひとつ注意したいのは、あわてて「すぐ作り直しましょう」という提案に乗ってしまうことです。廃業・倒産の場面では不安が大きいため、勧められるままに全面リニューアルを契約してしまうケースがあります。もちろん作り直しが最適な場合もありますが、まずはデータとドメインを確保し、落ち着いてから判断しても遅くありません。

そして、新しい運用先と契約するときは、サーバーとドメインを自社名義にすることを強くおすすめします。今回のような事態を繰り返さないための、いちばんの備えになります。

新しい会社へ管理を引き継ぐ際の手順や、契約時に確認しておきたい条件は、ホームページの管理会社・保守会社を変更したいときの進め方でも詳しく整理しています。

よくある質問

Q. 制作会社が倒産したら、ホームページはすぐ消えますか?

すぐに消えるとは限りません。サーバーやドメインの契約が残っている期間は表示され続けます。ただし、いつ止まるかは契約状況次第で、外からは正確にわかりません。表示されているうちにデータの確保を進めておくのが安全です。

Q. ドメインが制作会社名義のまま失効しそうです。どうすればよいですか?

連絡がつくなら、最優先で移管を依頼してください。連絡がつかない場合は、ドメイン管理会社に事情を伝えて相談する方法があります。名義人でないと手続きできないことが原則ですが、状況によって案内してもらえる場合があります。失効までの時間が限られているときは、専門家に早めに相談することをおすすめします。

Q. データが取り出せませんでした。一から作り直すしかないですか?

サーバー上のデータが失われていても、掲載していた文章や画像が手元に残っていれば、それをもとに再構築できます。また、過去のホームページの状態が外部のアーカイブサービスに残っている場合もあり、内容の確認に役立つことがあります。完全に元通りにはならなくても、ゼロからのスタートとは限りません。

まとめ

制作会社の廃業・倒産を知ったら、確認する順番は次の通りです。

  1. ホームページとメールが今も使えているか確認する
  2. サーバーとドメインの契約名義を確認する
  3. 表示されているうちにデータを確保する
  4. 連絡がつくなら、ドメイン移管とデータ引き渡しを依頼する
  5. 落ち着いてから、今後の運用先を決める

契約が自社名義ならあわてる必要はありませんし、制作会社名義でも、早く動けば守れるものは多くあります。

何から確認すればよいかわからない場合や、時間がなく急ぎで対応が必要な場合は、現状の整理からお手伝いしますので、お気軽にご相談ください。

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