ホームページビルダーで自分で作ったホームページを、ずっとそのまま使っている。昔の担当者がDreamweaverなどのソフトで作ったが、今は誰も触れない。ソフトの入ったパソコンが壊れて、更新できなくなった。
こうしたご相談は、今もよくあります。
WordPressのような管理画面で更新する仕組みが広まる前は、パソコンにインストールしたソフトでページを作り、サーバーへ転送する方法が主流でした。ホームページビルダー、Dreamweaver、Fireworksなどで作られたホームページは、今も数多く残っています。
こうしたホームページは、表示されている限りは問題ないように見えます。しかし、更新の仕組みが特定のソフトや特定のパソコンに依存しているため、ある日を境に「誰も更新できないホームページ」になってしまうことがあります。
この記事では、古いソフトで作ったホームページを見直すときの確認ポイントを整理します。
まず、今どんな状態かを確認する
最初に、現在の状態を整理しましょう。確認したいのは次の点です。
- 何のソフトで作られたか(わかる範囲で)
- そのソフトが今も手元にあるか、起動できるか
- 元データ(ソフトで編集するためのファイル)がどこにあるか
- サーバーへの転送設定(FTP情報)がわかるか
- 最後に更新したのはいつか、誰が行ったか
- サーバーとドメインの契約状況
古いソフトで作ったホームページの特徴は、「元データがパソコンの中にある」ことです。WordPressはサーバー上のデータを管理画面から編集しますが、ホームページビルダーなどは、手元のパソコンで編集したものをサーバーへ送る仕組みです。
つまり、サーバー上に公開されているホームページと、編集用の元データは別の場所にあります。この元データの所在が、今後の見直しの鍵になります。
サーバーやドメインの契約状況がわからない場合は、ホームページのドメイン・サーバー管理がわからないときの確認ポイントを参考に、先に契約先を確認しておいてください。
「更新できない」の原因を切り分ける
古いソフトのホームページが更新できなくなる原因は、いくつかのパターンに分かれます。どれに当てはまるかで、対処が変わります。
ソフトはあるが、操作できる人がいない
ソフトとデータは残っているものの、使い方を知っていた担当者が退職・異動してしまったケースです。この場合、データは無事なので、操作を引き継ぐか、外部に更新を依頼するかを選べます。比較的余裕のある状態です。
パソコンの買い替えや故障で、ソフトが使えなくなった
古いソフトは、新しいパソコンやOSに対応していないことがあります。すでに販売やサポートが終了しているソフトの場合、新しい環境に入れ直すこと自体が難しいこともあります。元データが残っていれば、他の方法で編集できる可能性があります。
元データが見つからない
ソフトもパソコンも失われ、元データの所在がわからないケースです。この場合でも、サーバー上には公開中のファイルが残っています。サーバーに接続できれば、公開されているファイル一式を取り出して、そこから見直しを進めることができます。
作った人と連絡が取れない
外部の人に作ってもらい、その人と連絡が取れなくなっているケースです。この場合はホームページを作った人と連絡が取れないときの確認ポイントの手順で、契約とデータの確認を進めてください。
データを確保する
原因が何であれ、見直しを進める前にやっておきたいのがデータの確保です。
元データが手元にある場合
ホームページビルダーなどの編集用ファイル一式を、USBメモリやクラウドなど複数の場所にコピーしておきます。ソフトが使えなくなっても、データさえあれば他の手段で活かせる可能性があります。
サーバーから取り出す場合
元データが見つからなくても、サーバーに接続できれば公開中のファイル(HTML、画像、PDFなど)を一式ダウンロードできます。FTP情報がわからない場合は、サーバーの契約者ページから確認できることが一般的です。契約者ページのログイン情報がわからないときは、ホームページのログイン情報がわからないときの確認ポイントの手順で確認してみてください。
どちらもできない場合
サーバーにも接続できない場合でも、公開されているページを開いて文章と画像を保存しておくことはできます。ページ数が多いと手間はかかりますが、掲載内容が手元にあるだけで、その後の選択肢は大きく変わります。
古いソフトを使い続けるのは危険か
「古いソフトを使っていると、ウイルスに感染しやすいのでは」というご相談をいただくことがあります。
まず、ソフトそのものについて。ホームページビルダーもDreamweaverも、現在も販売・提供が続いているソフトです。開発が終わったわけではありません。危険かどうかは、ソフトの名前ではなく使っているバージョンと環境で決まります。
実際に問題になりやすいのは、次の3つです。
ソフトを動かしているパソコンのOSが古い場合。 ソフト自体より、サポートの終わったOSを使い続けていることの方がリスクになります。修正プログラムが提供されないためです。
サーバーへの転送方法が暗号化されていない場合。 古いバージョンのソフトは、暗号化されていないFTPでの転送しか対応していないことがあります。近年はサーバー側が暗号化通信(FTPS・SFTP)を必須に変更する例が増えており、その場合、古いソフトでは接続そのものができなくなります。「急に更新できなくなった」という相談の原因が、これだったケースもあります。
公開しているホームページ側の問題。 SSLに対応していない、フォームが古い仕組みのままといった状態は、ソフトの新旧とは別の問題です。閲覧者に警告が表示されるのは、こちらが原因です。
つまり「古いソフトで作ったホームページ」が危ないのではなく、古い環境のまま止まっていることが問題になります。ソフトを使い続けるかどうかより、まずOS・転送方法・公開中のサイトの状態を確認するのが先です。
使い続けるか、移行するかを判断する
データを確保したら、今後どうするかを考えます。判断の軸は「更新の仕組みを今後も維持できるか」です。
そのまま使い続けられるケース
- ソフトとデータが揃っていて、操作できる人がいる
- 更新頻度が低く、年に数回の修正で足りる
- ホームページの内容が今の事業と合っている
この場合、無理に作り替える必要はありません。ただし、元データのバックアップと、操作の引き継ぎ資料だけは整えておくことをおすすめします。今の状態は「たまたま維持できている」だけで、担当者やパソコンに何かあれば止まってしまうためです。
移行を検討した方がよいケース
- ソフトが使えず、更新のたびに困っている
- スマートフォンで見づらいと言われる
- 「保護されていない通信」と表示される
(この場合はホームページに「保護されていない通信」と表示されるときに確認することも参考にしてください) - 事業内容が変わり、直したい箇所が多い
- 更新できる人を今後も確保できる見込みがない
古いソフト製のホームページは、デザインの古さよりも「更新の仕組みが続かない」ことが本質的な問題です。直したいときに直せない状態が続いているなら、移行を前向きに考えるタイミングです。
移行するときの選択肢
移行先は、大きく分けて次の選択肢があります。
WordPressなどのCMSに移行する
管理画面から更新できる仕組みに作り替える方法です。特定のソフトやパソコンに依存しなくなり、複数人での更新や引き継ぎもしやすくなります。現在最も一般的な選択肢です。
ホームページ作成サービスを利用する
クラウド型の作成サービスに移行する方法です。手軽に始められますが、サービスの仕様や料金体系に依存する点、将来別の場所へ移りにくい場合がある点は理解しておく必要があります。
今のHTMLのまま、手直しして使う
内容がシンプルで更新も少ないなら、今のファイルを部分的に修正して使い続ける方法もあります。費用を抑えられますが、更新のたびに専門知識か外部への依頼が必要になる点は変わりません。
どの方法でも、移行の際は今のページの内容を「残すもの・直すもの・外すもの」に分けて整理してから進めることが大切です。古いページをそのまま全部移すと、古い情報も一緒に引き継いでしまいます。移行は、内容を見直すいちばんよい機会でもあります。
また、移行時にURLが変わるページがある場合は、検索結果や他サイトからのリンクが切れないよう、転送(リダイレクト)の設定も検討してください。
よくある質問
Q. ホームページビルダーのデータだけ残っています。ソフトなしで使えますか?
ホームページビルダーの編集用ファイルは、基本的に同じソフトがないと編集できません。ただし、書き出されたHTMLファイルや画像が含まれていれば、それらは他の環境でも活用できます。データ一式を消さずに保管したまま、専門家に確認してもらうことをおすすめします。
Q. 古いホームページを移行すると、検索順位はどうなりますか?
URLや内容の引き継ぎ方によって影響は変わります。ページのURLが変わる場合は転送設定を行い、検索から見られているページの内容を大きく削らないことが基本です。長年運用してきたホームページには検索上の資産が積み上がっていることがあるため、移行時にはその引き継ぎも含めて計画するのが安全です。
Q. 自分で作ったので愛着があります。全部作り替えるしかないですか?
必ずしも作り替える必要はありません。文章や写真、掲載してきた情報は、そのまま新しい仕組みへ引き継げます。変えるのは「更新の仕組み」であって、積み重ねてきた内容を捨てることではありません。今の内容を土台に、残すもの・直すもの・外すものを一緒に整理していく形で進められます。
Q. ホームページビルダーやDreamweaverは、もう使えなくなるのでしょうか?
どちらも現在提供が続いているソフトです。ただし古いバージョンは、新しいパソコンやOSで動作しない、サーバーへ接続できないといった形で使えなくなることがあります。ソフトの提供が終わるかどうかより、手元の環境で動き続けるかどうかを基準に考えるのが実際的です。
まとめ
古いソフトで作ったホームページは、表示されている間は問題が見えにくいものの、更新の仕組みがソフト・パソコン・担当者に依存しているため、ある日突然「誰も触れない状態」になることがあります。
まずは、ソフト・元データ・サーバー接続情報・契約状況を確認し、データを安全な場所に確保してください。そのうえで、今の仕組みを維持できるのか、移行した方がよいのかを判断します。
移行する場合も、これまで積み重ねてきた内容は引き継げます。あわてて全部を捨てる必要はありません。
何のソフトで作られたかわからない、データがどこにあるかわからないという状態でも、現状の確認からお手伝いできますので、お気軽にご相談ください。
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