ホームページ見直し

ホームページ担当者が退職・交代するときの引き継ぎチェックリスト

ホームページを担当していた社員が退職する。長年任せていた人が異動になる。家族経営で、ホームページを見ていた家族が引退する。

こうした担当者の交代のとき、ホームページの引き継ぎは後回しになりがちです。業務の引き継ぎに比べて、ホームページは「動いているから大丈夫」に見えるためです。

しかし、このサイトで扱ってきた相談の多く、たとえばログイン情報がわからない、契約先がわからない、更新できる人がいない、といった問題は、たどっていくと担当者交代時の引き継ぎ漏れにたどり着きます。困るのは数か月後、場合によっては数年後。そのときには、聞ける相手はもういません。

この記事では、担当者の退職・交代のときに引き継いでおきたい項目を、チェックリスト形式で整理します。在職中の今なら10分で確認できることが、退職後には数週間の調査になります。ぜひ、辞令が出たその週のうちに着手してください。

引き継ぎチェックリスト(一覧)

まず全体像です。次の6分野を引き継ぎます。

  1. ログイン情報(管理画面・サーバー・ドメイン)
  2. 契約情報(契約先・名義・支払い・更新時期)
  3. メールアドレスの管理
  4. 更新の手順とルール
  5. 外部サービスのアカウント
  6. 外部の関係者(制作会社・保守会社)の連絡先

以下、分野ごとに確認項目と注意点を説明します。

1. ログイン情報

最優先の引き継ぎ項目です。次のログイン情報を、URL・ID・パスワードのセットで一覧にします。

  • ホームページの管理画面(WordPressなど)
  • サーバーの契約者ページ
  • ドメイン管理会社の管理画面
  • FTP(わかる場合)

ここで重要なのは、一覧を作るだけでなく、実際にログインできるか後任者が試すことです。メモが古くて実は入れない、というケースは非常に多くあります。退職前に後任者の目の前でログインしてもらい、その場で確認するのが確実です。

パスワードが担当者の記憶やブラウザにしか残っていない場合は、このタイミングで会社として管理する形(共有の台帳、パスワード管理の仕組みなど)に移してください。

すでに担当者が退職してしまい、ログイン情報がわからない場合は、ホームページのログイン情報がわからないときの確認ポイントの手順で再発行を進めます。

2. 契約情報

ホームページの土台であるサーバーとドメインの契約です。

  • サーバーの契約先(会社名・プラン)
  • ドメインの契約先と有効期限
  • 契約の名義(会社名義か、担当者の個人名義か、制作会社名義か)
  • 支払い方法(誰のカードか・どの口座か)と金額
  • 更新時期

特に注意したいのが、名義と支払いの個人依存です。長く任せていた担当者の個人カードで支払われていた、担当者の個人名義で契約されていた、というケースは珍しくありません。退職後にカードが解約されて支払いが止まり、ある日ホームページが消える。これは実際に起きるトラブルです。名義や支払いが個人に紐づいている場合は、在職中に会社名義・会社の支払いへ変更しておきます。

契約先が本人にもわからなくなっている場合は、ホームページのドメイン・サーバー管理がわからないときの確認ポイントを参考に、請求書や明細から特定します。

3. メールアドレスの管理

見落とされやすい重要項目です。

  • 各サービスの登録メールアドレス(WordPressの管理者メール、サーバー・ドメインの連絡先メール)が、退職する担当者の個人アドレスになっていないか
  • ホームページのお問い合わせフォームの通知先が、担当者のアドレスになっていないか
  • ドメインのメール(info@自社ドメイン など)のパスワードと設定情報

登録メールアドレスは、パスワード再発行や契約更新の案内が届く「命綱」です。ここが退職者のアドレスのままだと、パスワードを忘れたときに再発行できず、更新案内にも誰も気づけません。引き継ぎのタイミングで、登録アドレスを会社の共有アドレスに変更することを強くおすすめします。フォームの通知先の確認方法はホームページの問い合わせフォームが届かないときに確認することも参考になります。

4. 更新の手順とルール

情報だけでなく、「やり方」の引き継ぎです。

  • お知らせや記事の投稿手順(手順書がなければ、担当者がいるうちに一度作る)
  • 更新の頻度とタイミング(年末年始の休業案内はいつ出すか、など)
  • 画像の加工方法や使っている素材の保管場所
  • 触ってはいけない場所(過去に不具合が出た設定など)

手順書は完璧である必要はありません。後任者が実際に1回、担当者の隣で投稿してみる、というのが最も確実な引き継ぎです。操作の様子を画面録画しておくのも有効です。

更新が長く止まっていて、これを機に再開したい場合は、ホームページのお知らせに何を書けばいいのか|更新が止まっているときの再開の仕方が使えます。

5. 外部サービスのアカウント

ホームページ本体以外にも、引き継ぐべきアカウントがあります。

  • Googleビジネスプロフィール(オーナー権限のアカウント)
  • Googleアナリティクス・サーチコンソール(管理権限のアカウント)
  • SNSアカウント(ログイン情報と、投稿ルール)
  • 写真素材サイトなど、有料サービスの契約

Googleビジネスプロフィールは、担当者の個人Googleアカウントでオーナー確認されていることがよくあります。退職後にそのアカウントと連絡が取れなくなると、マップ上の情報を直せなくなります。在職中に、会社のアカウントをオーナーまたは管理者として追加しておいてください。プロフィール管理の全体はホームページとGoogleマップの情報が違うときに確認することで解説しています。

6. 外部の関係者の連絡先

最後に、人のつながりの引き継ぎです。

  • 制作会社・保守会社の会社名、担当者名、連絡先
  • 契約内容(何を依頼していて、月々いくら払っているか)
  • 過去のトラブルと対応の履歴(誰に連絡して解決したか)
  • 「困ったときに聞ける人」(社外の知人に頼んでいた場合は特に)

制作を「担当者の知人」に頼んでいた場合、その関係は担当者の退職と同時に切れがちです。会社として連絡先を引き継ぎ、可能なら退職前に一度、後任者を交えて挨拶の機会を持っておくと、その後の相談がスムーズになります。

保守会社との契約がある場合は、担当者変更の連絡も忘れずに。連絡窓口が退職者のままだと、重要な連絡が届かなくなります。

引き継ぐ相手がいない場合

後任者が決まっていない、任せられる人がいない、という場合もあります。その場合でも、情報の一覧化だけは担当者がいるうちに行ってください。「誰に引き継ぐか」は後から決められますが、「何があるか」は本人がいないと分からなくなるためです。

一覧さえあれば、後から外部(保守会社など)へ管理を委託する選択肢も取れます。委託先を探す際の確認事項はホームページの管理会社・保守会社を変更したいときの進め方の「次の会社と契約するときに確認したいこと」がそのまま使えます。

引き継いだあと、何をどの頻度で管理していけばよいかは、ホームページの管理とは|何を・誰が・どこまで管理するのかにまとめています。

よくある質問

引き継ぎ書のひな形はどう作ればいいですか?

この記事の6分野をそのまま見出しにして、項目を埋めていく形で十分です。1枚のスプレッドシートに「項目 / 内容 / 保管場所 / 確認日」の列で作ると、次の交代時にも更新して使い回せます。作った一覧自体がログイン情報の塊になるため、保管場所とアクセスできる人は限定してください。

退職する本人です。何から始めればいいですか?

まず「1. ログイン情報」の一覧化と、実際にログインできるかの確認から始めてください。ここが揃っていれば、他の項目は後任者や会社側でも調査できます。逆にここが失われると、すべての調査が難しくなります。あわせて、各サービスの登録メールアドレスを自分の個人アドレスから会社のアドレスへ変更しておくと、退職後に連絡が来て対応に困る、という事態も防げます。

前任者がすでに退職していて、引き継ぎを受けられませんでした。

この記事の6分野を「引き継ぎリスト」ではなく「調査リスト」として使ってください。ログイン情報、契約先、登録メールの順で確認を進めます。前任者と連絡が取れる関係であれば、失礼のない範囲で確認の協力をお願いするのが最短です。連絡が難しい場合の進め方は、ホームページを作った人と連絡が取れないときの確認ポイントの考え方が社内の前任者のケースにも応用できます。

まとめ

ホームページの引き継ぎで渡すべきものは、6つです。ログイン情報、契約情報、メールアドレスの管理、更新の手順、外部サービスのアカウント、外部の関係者の連絡先。

そして引き継ぎの本質は、リストを渡すことではなく、ホームページの管理を「特定の個人」から「会社の仕組み」に移すことです。登録メールを共有アドレスにする、名義と支払いを会社に揃える、手順を文書にする。ここまでできれば、次の交代はずっと楽になります。

何を確認すればよいか分からない状態からの整理や、前任者がいないままの調査が必要な場合も、現状の確認からお手伝いしますので、お気軽にご相談ください。

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