「お客様のドメインの有効期限が近づいています」「期限内に更新されない場合、ホームページとメールが使えなくなります」。
こうしたメールは、実際の契約先からも届きますが、契約先とは無関係の業者からも届きます。文面だけでは区別がつきにくく、期限を切られているので慌てて支払ってしまう例があります。
この記事では、こうしたメールが届いたときに、本物かどうかをどの順番で確かめればよいか、偽物に多い特徴は何か、もし支払ってしまった場合はどうするかを整理します。
先に結論:メールの中のリンクからは手続きしない
本物か偽物かを判断する前に、一つだけ決めておくと安全です。メールに書かれたリンクやボタンからは、更新手続きも支払いもしない。これだけで、大半の被害は防げます。
本当に期限が近いなら、契約先の管理画面に自分でログインすれば同じ内容が表示されています。メールは「知らせ」として受け取り、手続きは自分で開いた管理画面で行う。この順番を守れば、メールが本物でも偽物でも困りません。
なぜこういうメールが届くのか
ドメインの登録者情報は、WHOISという仕組みで一部が公開されています(代行サービスを使っている場合は伏せられます)。この情報をもとに、契約先とは関係のない業者が「更新のご案内」を送ってきます。
届くメールは、大きく3種類に分かれます。
1. 契約先からの本物の通知。有効期限の1〜2か月前から複数回届きます。契約先のメールアドレスから、登録している宛先に届きます。
2. 無関係の業者からの「更新案内」。契約先のように見える文面で、自社への支払いや移管を促すものです。支払うと、実際には別の業者に管理が移ってしまうか、何も起きないまま料金だけ取られることがあります。違法とまでは言えない形で行われている場合もあります。
3. 偽装メール(フィッシング)。契約先のメールアドレスや画面を真似て、リンク先でカード情報やログイン情報を入力させるものです。
2と3は見た目が似ていますが、対処は同じです。メールのリンクを使わず、自分で管理画面を開く。これで両方とも避けられます。
偽物に多い特徴
次の特徴がいくつか揃っていれば、慎重に扱う理由になります。
期限が極端に短い。「あと3日」「本日中」といった表現です。本物の通知は、期限の1〜2か月前から段階的に届くのが普通で、突然「あと数日」とは言いません。
金額が相場から外れている。一般的な .jp や .com のドメインの年間更新料は数千円から1万円前後です。「更新手数料 3万円」「更新保証プラン」「検索最適化オプション」など、見慣れない名目や金額があれば疑ってください。
送信元が契約先と違う。契約先が分かっているなら、送信元のドメイン(@以降)を見比べてください。ただし送信元は偽装できるので、一致していても安心はできません。判断材料の一つとして扱います。
宛名が「ドメイン管理者様」など曖昧。本物の通知は、登録している会社名や担当者名で届くことがほとんどです。
「今すぐこちらから」というボタンで支払いに誘導する。本物の通知でもリンクは含まれますが、リンクを使わなくても管理画面から手続きできます。リンクからしか手続きできないように書かれていたら、それ自体が不自然です。
一つ当てはまるだけでは断定できません。二つ三つ重なるなら、次の手順で確認してください。
確かめる順番
1. まず、どこで契約しているかを確認する
ドメインの契約先(登録事業者)を把握していないと、本物かどうか判断のしようがありません。契約先が分かっているなら次へ。分からない場合は、先にそちらを確認します。
ホームページのドメイン・サーバー管理がわからないときの確認ポイント
2. 契約先の管理画面に、自分でログインする
メールのリンクは使わず、ブラウザで契約先のサイトを開いてログインします。ドメインの有効期限は、管理画面に必ず表示されています。
管理画面の期限とメールの期限が一致していれば本物。一致していなければ、そのメールは契約先からのものではありません。
.jp ドメインであれば、登録管理機関(JPRS)が提供している WHOIS 検索でも有効期限を確認できます。契約先の管理画面に入れない場合の代替手段になります。
3. 判断がつかなければ、契約先に直接聞く
管理画面に入れない、期限の表示が見つからない、という場合は、契約先のサポート窓口に「このようなメールが届いたが、貴社からのものか」と問い合わせてください。連絡先は、メールに書かれたものではなく、契約先のサイトで自分で調べたものを使います。
本当に期限が切れたら、何が起きるか
有効期限を過ぎると、ホームページは表示されなくなり、そのドメインを使っているメールアドレスも送受信できなくなります。ホームページより、メールが止まることの影響のほうが大きい会社が多いです。
.jp ドメインの場合、期限を過ぎた直後に消えるわけではなく、一定の期間は回復できる仕組みがあります。ただし、その間もホームページとメールは止まった状態です。「猶予があるから大丈夫」ではなく、期限が来る前に更新するのが原則です。
支払ってしまった場合
メールのリンクから支払いをした後で「おかしい」と気づいた場合は、次の順で動いてください。
1. 契約先の管理画面で、ドメインの状態を確認する。期限が延びているか、管理者情報が変わっていないかを見ます。
2. カード会社や決済事業者に連絡する。不正な請求として異議を申し立てられる場合があります。早いほど対応の幅が広がります。
3. 入力した情報がログイン情報だった場合は、すぐにパスワードを変える。契約先の管理画面、メール、他のサービスで同じパスワードを使っていれば、それらも変えます。
4. 相談先を確保する。消費生活相談窓口(局番なしの188)は事業者間の相談も受け付けています。
今後、迷わないために
このメールで迷う原因は、たいてい「契約先がすぐに分からない」ことです。次の3点を決めておくと、次に届いたときに数分で判断できます。
– ドメインの契約先・ログイン方法・有効期限を、社内の共有できる場所に記録しておく
– 更新の支払い方法を確認しておく(自動更新か、都度払いか)
– 担当者が変わるときに、この情報も引き継ぐ
ホームページ担当者が退職・交代するときの引き継ぎチェックリスト
よくある質問
契約先からの本物のメールも、リンクを使わない方がよいですか?
本物であっても、管理画面から手続きすれば結果は同じです。「メールのリンクは使わない」を習慣にしておくと、偽物との区別を考える必要がなくなります。
送信元のメールアドレスが契約先と同じなら安心ですか?
送信元は偽装できます。アドレスが一致していても、それだけで本物とは判断できません。管理画面での期限確認が確実です。
ドメインの契約先を変えたほうがよいと勧められました
必要があって移管するのは普通のことですが、届いたメールをきっかけに移管するのは避けてください。移管は、今の契約先の管理画面から自分で手続きを始めるものです。相手から「こちらで手続きします」と言われた場合は、断ってください。
制作会社がドメインを管理している場合は?
制作会社にメールを転送して確認してもらってください。契約名義が制作会社になっている場合、更新通知は制作会社に届き、自社には届かないのが普通です。自社宛てに届いたなら、それだけで契約先からのものではない可能性が高くなります。
期限を知らせるメールは、管理画面で確かめてから動く
ドメインの期限に関するメールは、本物も偽物も同じ顔をして届きます。見分けようとするより、「メールのリンクは使わず、自分で管理画面を開く」を決めておくほうが確実です。
当サイトを運営するオフィスピコッツでは、京都・滋賀を中心に、ドメインやサーバーの契約確認を含むホームページの管理相談をお受けしています。「このメールが本物か分からない」という段階からで構いません。現状の整理からお手伝いします。
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